どうせ世界はこのままだから

 

世間体は気にしない という世間体を

大事にするように 背負って歩くように

僕らの荷物には

無駄なものばかり 増えていくけど

 

本当に譲れないものを ひとつだけ選んで

それを大切に できたらいいな

今の僕にはまだ

大切なものが 多すぎるけど

 

独りよがりな詩を 空に投げたら

世界が少しだけ良くなった気がした

 

    僕の言葉が 君に突き刺さって

    君が逃げ出す理由に なってしまえばいい

    僕のつくる歌が 弾丸となって

    この馬鹿げた世界に 風穴を開ければいい

    世迷言だと 聞き流してよ

    どうせ世界はこのままだから

 

この街は僕らを 木枯らしに乗せて運ぶ

それぞれの人の 美しいが連なって

みんなが自分を生きるから

この季節が好きなんだ

 

僕よりもたくさんの 綺麗なものを

知っている君が 明日を見限ったのなら

僕にできること

もうないか もうないよな

 

誰かを救おうだなんて 思わないで

それはきっと 救いじゃないから

 

    僕の言葉が この星に唾を吐いて

    孤独な暗闇の中で 輝き続ければいい

    僕のつくる歌が 笑い飛ばされても

    いつか少しだけ 思い出されたらいい

    見たくないものは 見なくていいよ

    どうせ世界はこのままだから

 

かたわれ時の美しい語らいも

祭りの後の侘しい人いきれも

全部言葉に出来るのに 全部言葉が繋ぐのに 

君は幸せになれるって 言い切ることすら出来ない

 

どんな情緒も立ち入れない場所で

一人すすり泣く影を見たんだ

そんなものたちを照らす 覚悟が詩歌にあるのか

どうせ世界は変わらない

でも だからこそ歌い続けるよ

 

    僕の言葉に 光を見た君が

    見失った明日を 見つけられたらいい 

    僕のつくる歌が 照らせなくても

    君のエンドロールの 端に載れたらいい

    無い物ねだりを 笑ってくれよ

    どうせ世界はこのままだから