巡リズム

 

異国の風を思い出す

いつかテレビで見た風

それか夢で見た風 あるいは

あのとき あの国の

風が 風としての範疇を 超えて

吹く 駐車場 左に 右に

 

星座になり損なった

コンビニを出て

コンビニはあったかい冷房

みたいな空気で 僕を押し出して

その勢いに僕は

靴底をすり減らして

七色への嫌悪感と

その反対側にある

科学館へ 母は向かいました

 

ありがとうを繰り返すべき

のような

世界への復讐を誓うべき

のような

揺れる意志の欠片を

都会の真ん中に

埋めて

いつかビル風が  

掘り起こすのを

待って

 

すべてからの孤立とも

あらゆる歴史との結合

とも取れる生活を

繰り返し 日々 地味に 

めぐり めぐり めぐり

巡リズム