追憶

 

人生何度目かの この感覚

以前のことなど 覚えていない

憂鬱に不釣り合いな 生ぬるい風

桜散る河原に 誰かの生霊

 

どうやら行かねば ならないらしい

団地の生活感に 急かされる僕は

足早に向かう どこかへ向かう

どこへ向かう さようなら 思い出

 

別れは追憶 

別れはタイムマシン

別れは過去 

別れは出会い

 

出会いは追憶

出会いはタイムマシン

出会いは過去

出会いは別れ 

 

公園のブランコが 揺れる度に

思い出す情景は 誰かの記憶だ

そんな曖昧なものに 傷付くことは

決して弱さではないと むしろ強さであると

君の頭上を掠めた花びらが そう言っている

君の頭上を掠めた花びらが そう言っている